ドクターコラム
フェイスリフト手術後のドレーンとは?
2026.07.28
フェイスリフト
大阪難波のMIYAフェイスクリニックの宮里です。
フェイスリフト手術をご検討されている患者様から、「ドレーンとは何ですか?」、
「手術後に管(くだ)が入ると聞いて不安です」、「いつまで入っているのでしょうか?」、
「ドレーンは本当に必要なのでしょうか?」、このようなご質問をいただくことがあります。
「ドレーン」と聞くと、大きな管が体についているようなイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、
フェイスリフトで使用するドレーンは、そのようなものではありません。
今回は、当院でフェイスリフト手術を受けられるすべての患者様に使用している
「ペンローズドレーン」について、その役割や、私がこの方法を選択している理由をご説明します。
ドレーンとは何のために入れるのでしょうか?
フェイスリフトでは、皮膚やSMASを引き上げるために、皮膚の下を広い範囲で剥離します。
手術中には十分な時間をかけて丁寧に止血を行いますが、
それでも術後には少量の血液や組織液が皮下にたまることがあります。
これらが過度にたまると、腫れや痛みが強くなったり、
「血腫(けっしゅ)」という合併症につながることがあります。
血腫はフェイスリフト術後に注意すべき合併症の一つであり、
場合によっては再手術が必要になることもあります。
ドレーンは、このような血液や組織液を体の外へ排出し、
皮下にたまりにくくするための大切な役割を担っています。
当院で使用している「ペンローズドレーン」とは?
当院では、すべてのフェイスリフト手術で「ペンローズドレーン」を使用しています。
患者様には、「ストローのような細くて柔らかい管」とご説明しています。
ドレーンにはいくつか種類があります。
テレビドラマなどで見かけるような、ボトルやバッグにつながり、
持続的に陰圧をかけて血液を吸引する「閉鎖式吸引ドレーン」もあります。
一方、当院で使用しているペンローズドレーンは、そのような吸引式ではありません。
皮下にたまった血液や組織液を自然に体の外へ導き、
出口に当てたガーゼへ吸収させる「自然排液」のドレーンです。
そのため、大きな吸引バッグを持ち歩く必要はありません。
なぜ当院ではペンローズドレーンを使用しているのでしょうか?
ドレーンにはそれぞれ特徴があり、どの方法を採用するかは術者の考え方によって異なります。
当院では、自然排液式であるペンローズドレーンを採用しています。
その理由の一つは、患者様一人ひとりの術後経過に合わせた管理ができることです。
当院では、片側に2〜3本のペンローズドレーンを留置しています。
術後の診察で排液の状態を確認し、排液が十分に落ち着いた部位は先に抜去し、
まだ排液が続いている部位だけ留置を継続するなど、患者様の状態に応じて柔軟に対応しています。
すべてを同じタイミングで抜去するのではなく、その方の回復に合わせて管理できることは、
この方法の大きなメリットだと考えています。
一方で、ペンローズドレーンは自然排液であるため、術後の圧迫固定も非常に重要になります。
当院では、ドレーンだけに頼るのではなく、術後7日間の圧迫固定を基本とし、
その後も一定期間は夜間の圧迫固定をお願いしています。
適切なドレーン管理と圧迫固定を組み合わせることで、より安全で安定した術後経過を目指しています。
ドレーンはいつ抜くのでしょうか?
フェイスリフト手術後のドレーンは、術後翌日に抜去する施設も少なくありません。
当院では、術後2日目または3日目に抜去しています。
その理由は、術後の排液は必ずしも翌日までに落ち着くとは限らないと考えているためです。
術後の状態を確認しながら、十分に自然排液が得られたことを
確認したうえで抜去するようにしています。
また、複数本のペンローズドレーンを留置しているため、排液が少ない部位は先に抜去し、
排液が続いている部位のみ留置を継続するなど、一人ひとりの状態に合わせた管理を行っています。
2日目にするか3日目にするかは、創部の状態だけでなく、
患者様のお仕事や通院のご都合も考慮し、ご相談のうえ決定しています。
これまで、この方法で多くの患者様を診療してきましたが、大きな問題なく経過されています。
ドレーンが入っていると痛いのでしょうか?
「ドレーンが入っている」と聞くと、不安に感じる方もいらっしゃると思います。
実際には、強い痛みを訴えられる患者様は多くありません。
違和感を感じることはありますが、「思っていたより気にならなかった」とおっしゃる方がほとんどです。
また、ドレーンの抜去も短時間で終了する処置ですので、ご安心ください。
私が大切にしているのは「術後管理」まで含めたフェイスリフトです
フェイスリフトは、手術が終わればそれで終わりではありません。
どれだけ丁寧な手術を行っても、術後管理がおろそかになれば、
患者様に安心して回復していただくことはできません。
そのため当院では、
・丁寧な手術操作
・時間をかけた確実な止血
・一人ひとりに合わせたドレーン管理
・適切な圧迫固定
・定期的な診察と経過観察
これらすべてをフェイスリフト治療の一部として大切にしています。
形成外科医として、これまで多くの創傷治癒や術後管理に携わってきました。
その経験から、私は「手術が終わってからが本当の治療の始まり」だと考えています。
フェイスリフトも同じです。
どれほど丁寧に手術を行っても、その後の経過を適切に見守り、
患者様一人ひとりの状態に合わせた術後管理を行うことが、良い結果につながると信じています。
だからこそ私は、術式だけではなく、術後管理にも決して手を抜きません。
まとめ
フェイスリフトのドレーンにはいくつか種類があり、それぞれに特徴があります。
当院では、患者様一人ひとりの術後経過に合わせた管理ができるよう、
すべてのフェイスリフト手術でペンローズドレーンを使用しています。
また、術後2日目または3日目まで留置し、排液の状態を確認しながら抜去することで、
安全な術後経過につなげられるよう努めています。
私が目指しているのは、「きれいに引き上げること」だけではありません。
患者様が安心して回復し、10年後にも「この手術を受けて本当に良かった」と思っていただけること。
そのために、手術だけでなく術後管理まで責任を持って診療することを何より大切にしています。
フェイスリフトをご検討中の方で、ご不安なことやご質問がありましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
