ドクターコラム
ダウンタイムが短いフェイスリフトほど良い?
「腫れない・楽な手術」だけで選ばないでください
2026.09.12
フェイスリフト
大阪難波のMIYAフェイスクリニック院長の宮里です。
フェイスリフトを検討するとき、
「できるだけ腫れない手術がいい」
「仕事を長く休めない」
「なるべく早く日常生活に戻りたい」
と考えるのは当然のことだと思います。
実際、美容外科のホームページやSNSでも、「腫れが少ない」「ダウンタイムが短い」といった言葉を目にすることがあります。
では、ダウンタイムが短いフェイスリフトほど、良い手術なのでしょうか?
私は、必ずしもそうではないと考えています。
もちろん、腫れは少ない方がいい
最初に誤解のないようにお伝えすると、私は「腫れる手術の方が優れている」と考えているわけではありません。
丁寧な剥離や確実な止血などによって、不要な腫れや内出血をできるだけ少なくすることは、手術を行う医師として当然大切です。
患者様の身体への負担も、可能な限り少なくしたいと考えています。
ただし、ここで区別してほしいのが、
「必要な手術を丁寧に行った結果、ダウンタイムを少なくすること」と、「ダウンタイムを短くすること自体を手術の目的にすること」は同じではないということです。
フェイスリフトは「何を、どこまで治すか」で手術内容が変わります
フェイスリフトと呼ばれる手術でも、すべて同じ手術ではありません。
切開する範囲、皮膚を剥離する範囲、SMASをどのように処理するか、首まで治療するのかなどによって、手術内容は大きく異なります。
当然、患者様のたるみの程度によって必要な手術も違います。
比較的軽度のたるみであれば、小さな範囲の手術で十分なこともあります。
一方、頬からフェイスライン、首までしっかりとしたたるみがある患者様に対して、ダウンタイムを短くすることだけを優先して手術範囲を小さくすれば、本来改善したかった部分に十分アプローチできない可能性があります。
「楽な手術」と「自分に必要な手術」は別です
患者様からすると、
「傷が小さい」
「腫れにくい」
「すぐ仕事に戻れる」
という手術は、とても魅力的に感じると思います。
しかし、フェイスリフトを検討するときには、もう一つ質問してほしいことがあります。
「その手術で、私が気になっているたるみはどこまで改善できますか?」という質問です。
ダウンタイムが短いかどうかだけでは、その手術が自分に適しているかは判断できません。
ダウンタイムの長さだけで手術の良し悪しは決められません
反対に、ダウンタイムが長ければ効果が高い、というわけでもありません。
必要以上に腫れたり、内出血が多かったりすることを手術効果の証明のように考えるのも違います。
つまり、「腫れない=良い手術」でもなければ、「腫れる=よく効く手術」でもありません。
重要なのは、患者様のたるみに対して必要な手術を行い、そのうえで不要な組織損傷や出血をできるだけ抑えることだと考えています。
ダウンタイムには「術後管理」も含まれます
フェイスリフトでは、手術そのものだけでなく、手術後の管理も重要です。
腫れ、内出血、傷の状態などを確認しながら経過をみていく必要があります。
私は形成外科医として、これまで多くの手術や術後の傷を診てきましたが、フェイスリフトも「手術が終わったら治療終了」ではないと考えています。
手術後の経過まで含めて、一つの治療です。
そのため当院では、患者様に多少ご不便をおかけすることがあっても、必要と考える術後管理については省略しない方針です。
大切なのは「ダウンタイムを何日まで許容できるか」だけではありません
もちろん、
「仕事を休めるのは1週間だけ」
「家族に知られたくない」
「大切な予定がある」
といった事情も、手術を決めるうえで大切です。
そのような場合は、無理に手術を受けるのではなく、予定を調整したり、場合によっては手術時期を変更したりすることも一つの選択です。
私は、患者様の生活に手術を無理やり合わせるために、本来必要な治療内容を変えることが常に正解だとは思っていません。
フェイスリフトを選ぶときに、本当に確認してほしいこと
「何日で腫れが引きますか?」という質問はもちろん大切です。
しかし、それと同じくらい、
「私のたるみの原因は何ですか?」
「どこまで手術する必要がありますか?」
「なぜ、この術式を選ぶのですか?」
「術後はどのように管理しますか?」
ということも確認してほしいと思います。
フェイスリフトは、ダウンタイムの短さを競うための手術ではありません。
必要な治療を、安全性と効果、そして患者様の負担のバランスを考えながら行うこと。
その結果として、できるだけダウンタイムを少なくする。
私は、その順番が大切だと考えています。
