ドクターコラム
フェイスリフトの失敗例とは?
2026.06.30
シワ治療
大阪難波のMIYAフェイスクリニックの宮里です。
フェイスリフトを検討している患者さんから、「失敗が怖いです」という相談を受けることがあります。
患者さんが知っておくべきフェイスリフトの「本当の失敗」とは何か
確かにインターネットやSNSには、
* 引きつった顔になった
* 傷跡が目立つ
* 顔が不自然になった
* 効果がなかった
など、さまざまな失敗談が掲載されています。
そのため、「フェイスリフトは怖い手術ではないか」と感じる方も少なくありません。
しかし実際には、患者さんが考える失敗と、医師が考える失敗は少し違うことがあります。
今回はフェイスリフトで起こり得る失敗例と、その原因について解説したいと思います。
そもそもフェイスリフトにおける「失敗」とは何か?
まず知っていただきたいのは、失敗には大きく分けて二つあるということです。
医学的な失敗
* 神経損傷
* 血腫
* 感染
* 皮膚壊死
などの合併症です。
審美的な失敗
* 不自然な仕上がり
* 効果不足
* 左右差
* 傷跡
などです。
患者さんが「失敗」と感じるのは、多くの場合、後者の審美的な問題です。
フェイスリフト失敗例1 引っ張られた顔になる
フェイスリフトで最も避けたい失敗の一つです。特徴としては、
* 目尻がつり上がる
* 口元が横に引かれる
* 表情が硬く見える
などがあります。
一昔前のフェイスリフトでは、皮膚を強く引っ張ることで改善を得ようとする考え方がありました。しかし現在では、単純な皮膚牽引だけでは不自然になることが知られています。
理想は、「引っ張った顔」ではなく、「たるむ前の顔」に戻すことです。
フェイスリフト失敗例2 効果がほとんどない
患者さんにとって意外に多い不満です。高額な手術を受けたにもかかわらず、
* 変化が分からない
* 期待したほど改善していない
というケースです。原因としては、
* 適応の誤り
* 剥離不足
* SMAS処理不足
* 皮膚切除量不足
などが考えられます。
自然さを重視することは大切ですが、改善がなければ患者さんは満足できません。自然さと効果のバランスが重要になります。
フェイスリフト失敗例3 首のたるみが残る
患者さんは顔ばかり気にしますが、実は年齢を感じさせる大きな要因が首です。フェイスラインが改善しても、
* あご下のたるみ
* 首のゆるみ
が残ると、患者さんは「まだ老けて見える」と感じます。特に首の評価が不十分なまま手術を行うと、不満につながりやすくなります。
フェイスリフト失敗例4 傷跡が目立つ
フェイスリフトでは必ず傷ができます。通常は、
* 耳前部
* 耳後部
* 生え際
* 頭皮内
に沿ってデザインされます。しかし、
* 傷の位置が不適切
* 過度な緊張がかかる
* 体質
などによって目立つことがあります。また、耳たぶが過度に下に引っ張られる「ピクシーイヤー(妖精耳)」も代表的な失敗例の一つです。
フェイスリフト失敗例5 不自然なボリューム減少
フェイスリフトはたるみを改善する手術ですが、顔のボリュームを増やす手術ではありません。そのため、もともと痩せ顔の方では、手術後に
* 頬がこけた
* 老けて見える
と感じることがあります。
このような場合には、脂肪注入やヒアルロン酸注入などを併用した方が良い結果になることがあります。
フェイスリフト失敗例6 左右差
人間の顔はもともと左右対称ではありません。しかし術後に左右差が目立つと、患者さんは失敗と感じることがあります。
原因としては、
* 元々の左右差
* 腫れの差
* 治癒過程の差
などがあります。完全な左右対称を作ることは現実的には困難ですが、術前の説明が重要になります。
フェイスリフト失敗例7 期待値とのズレ
実は最も多い失敗がこれかもしれません。患者さんが、
* 20歳若返ると思っていた
* シワが全部なくなると思っていた
* 肌質まで改善すると思っていた
などの場合です。フェイスリフトで改善できるのは、主にたるみです。改善できることとできないことを正しく理解していないと、技術的には成功していても患者さんは満足できません。
私が考えるフェイスリフトにおける本当の失敗
美容外科医として私が考える本当の失敗は、単に合併症が起こることだけではありません。それは、「患者さんが求めている結果と、実際の結果に大きなギャップがあること」です。
どれほど高度な技術を使っても、患者さんの希望を理解していなければ満足にはつながりません。
逆に、適切な適応判断と十分なカウンセリングができていれば、満足度は大きく向上します。つまり、失敗の原因は術式ではなく、適応判断、デザイン、技術、そして患者さんとの認識共有にあります。フェイスリフトを検討する際には、「どの術式が良いか」だけでなく、自分が何を改善したいのか、医師がそれを正確に理解しているかという点も非常に重要だと私は考えています。
