ドクターコラム
「ディーププレーンフェイスリフト」は全員に必要なのか?
2026.07.06
シワ治療
大阪難波のMIYAフェイスクリニックの宮里です。
話題の術式だからといって、すべての患者さんに最適とは限りません。
近年、フェイスリフトについて調べると、「ディーププレーンフェイスリフト」
という言葉を目にする機会が増えています。
SNSやYouTubeでも、
・最も進化したフェイスリフト
・最強の若返り手術
・従来法より圧倒的に効果が高い
と紹介されることも少なくありません。
そのためカウンセリングでは、「先生、ディーププレーンフェイスリフトじゃないとダメですか?」
「ディーププレーンフェイスリフトが一番良いんですよね?」という質問をいただくことがあります。
しかし、美容外科医としての私の答えは、「ディーププレーンフェイスリフトは優れた術式ですが、
全員に必要なわけではありません。」です。今回はその理由について解説します。
そもそもディーププレーンフェイスリフトとは?
従来のフェイスリフトでは、皮膚やSMAS(表在性筋膜)を引き上げることでたるみを改善します。
一方、ディーププレーンフェイスリフトでは、SMASのさらに深い層で靭帯を解除しながら
皮膚・脂肪・SMASを一体として移動させます。
そのため、
・中顔面の下垂
・ほうれい線
・口元のたるみ
などに対して大きな改善効果が期待できます。非常に優れた術式であることは間違いありません。
「最高の術式」と「最適な術式」は違う
ここで重要なのは、「最高の術式=全員に最適な術式」ではないということです。
例えばスポーツカーは高性能ですが、全員がスポーツカーを必要としているわけではありません。
フェイスリフトも同じです。重要なのは、患者さんのたるみの状態に合っているかどうかです。
軽度のたるみならオーバースペックになることもある
40代前半〜50代前半で、
・フェイスラインの軽度なたるみ
・ジョールファットの軽度下垂
が主な悩みであれば、必ずしもディーププレーンが必要とは限りません。
適切なSMASリフトでも十分な改善が得られることがあります。
むしろ、必要以上に広範囲な剥離を行うメリットが少ない場合もあります。
本当に力を発揮するのは中顔面の下垂
ディーププレーンの大きな特徴は、中顔面への効果です。
例えば、
・ほうれい線が深い
・頬の位置が下がっている
・ナゾラビアルファット(ほうれい線の上の脂肪)が下垂している
といったケースでは、ディーププレーンフェイスリフトの優位性が発揮されやすくなります。
一方で、主な悩みが
・フェイスライン
・あご下
・首のたるみ
であれば
必ずしもディーププレーンフェイスリフトでなければ改善できないわけではありません。
術式よりも大切なこと
患者様が誤解しやすいのですが、フェイスリフトの結果を決めるのは、術式名だけではありません。
実際には、
・適応判断
・剥離範囲
・リガメント処理
・ベクトル設定
・SMAS処理
・皮膚切除量
・術後管理
など多くの要素が関係します。
極端な話をすると、ディーププレーンフェイスリフトという名前だけで
良い結果が保証されるわけではありません。
逆に、適切な症例選択と確かな技術があれば、従来のSMASリフトでも非常に良好な結果が得られます。
「ディーププレーンフェイスリフトだから若返る」は誤解
SNSでは、「ディーププレーンフェイスリフトなら10歳若返る」
「従来法は意味がない」という極端な表現を見ることがあります。
しかし実際には、患者さんごとの骨格や老化パターンによって結果は大きく異なります。
術式の名前だけで結果が決まるわけではありません。
同じディーププレーンフェイスリフトでも、医師によって結果が異なるのはそのためです。
私が考える本当に大切なこと
患者さんが知るべきなのは、「ディーププレーンフェイスリフトかどうか」ではなく、
「自分のたるみに最も適した方法は何か」です。
診察をすると、ディーププレーンフェイスリフトが非常に有効な患者さんもいます。
一方で、そこまでの深い剥離が必要ない患者さんもいます。
つまり、全員が同じ術式で良い結果になるわけではないのです。
まとめ
ディーププレーンフェイスリフトは非常に優れた術式です。
特に、
・中顔面の下垂
・深いほうれい線
・頬の下垂
に対して高い効果を発揮することがあります。
しかし、「フェイスリフト=ディーププレーンフェイスリフトが正解」というわけではありません。
大切なのは術式の名前ではなく患者さん一人ひとりの
老化パターンに合わせた適切な治療を選ぶことです。
フェイスリフトを検討する際には「ディーププレーンフェイスリフトかどうか」だけ注目するのではなく
その術式を選ぶ理由をしっかり説明してくれる医師を選ぶことが重要だと私は考えています。
